ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

天敵に一矢

 第29期竜王戦1組のトーナメントが始まりました。
その皮切りが久保vs羽生戦でした。
12月15日携帯のモバイル中継を観ていたところ、148手で久保さんが勝利。

 148手のうち、片方の手数が当然ながらその半分で74手です。
久保さんの22角が動いた回数がなんと15回もありました。
15÷74=0.202で実に5回に1回が角の着手ということになります。

 この角の動きも最初は超速銀に追いかけまわされた感じが無きにしもあらずでしたが、常に一手前に動きながら、角という長足を十分に活かしきって捌きながら最後は馬にしてそれを自陣に引き付けて、攻防ににらみを効かしました。「捌きのアーテイスト」もこの日ばかりは「角の魔術師」といったところではないでしょうか。


 先の王将戦の挑戦者決定レースでは羽生さんに2回もたたかれた分を含めて対羽生戦6連敗中でしたので、この日の勝利はまさに溜飲が下がるということになるのかもしれません。
 さて、もう一つの心配はA級順位戦の成績です。1勝5敗の苦しい星勘定で年を越すことになりました。残るは3局です。王将戦を気にすることなく順位戦に集中できる環境にあると思います。順位(立ち位置)が上だけになんとか踏ん張ってほしいものです。