ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

振り飛車の棋譜の量産(B2組)

 9月24日は順位戦B2組の4回戦(全13局)が一斉に行われました。
前回、9月2日の時と同じく対局の戦型が振り飛車が5割以上を占める結果となりました。
 前回と同じく、王座戦のタイトル戦の日程と重なりましたが、私にとって王座戦のことなんか、ふっとんでしまいました。
 なぜ、B2組は私をわくわくさせる対局が多いのでしょうか。その構成メンバーを振り返ってみることにいたしましょう。


 まず、振り飛車党若手の代表ともいえる東の戸辺誠六段、西の菅井竜也六段がいます。
次に、中堅どころに最近、振り飛車が板についてきた北浜健介八段、相振り飛車の著作も多い杉本昌隆七段、中飛車の佐々木慎六段、四間飛車窪田義行六段、それに安用寺孝功六段がいます。
加えて、久保利明九段とともに私が「相振り御三家」と思っている藤井猛九段と鈴木大介八段が控えているのです。これでは、まわりの両党使いの中村修九段、田村康介七段、澤田真吾六段らが振り飛車ムードに感化されても不思議ではないといったところではないでしょうか。


 今回、特に印象に残った対局(2局)を紹介いたします。
まず、戸辺六段vs杉本七段戦から

図は相振り飛車から96手目後手が89飛車とおろしたところです。先手、少し苦しいとみていましたが34桂が意表の手でした。角より飛車を持ったほうが寄せやすいとの判断でしょう。以下、角銀桂歩で細かい攻めをつなぎます。103手目41銀、111手目64歩などの手筋を繰り出しながら飛車を捕獲して、71竜から54桂打を得てからは先手勝勢となりました。

戸辺vs杉本.kif 直


次に、菅井六段vs澤田六段戦から

 図は先手中飛車穴熊から76手目後手が44馬と引き付けたところです。
先手61竜と飛車を成っているものの、銀と角桂交換の駒損です。
銀2枚と歩でどうやって手を作っていくのかと見ていると、63歩を皮切りに2枚の銀の使い方が実に参考になる手順でした。一口でいううと、「銀が舞う」という印象です。途中、飛車を追った84銀が最終手75銀と引いて、とどめを刺したのがそれを物語っていると思います。

菅井vs澤田.kif 直