6月にマイナビ将棋BOOKSより、西川和宏四段著「これからの相振り飛車」という棋書が発行された。
西川四段と云えば、関西若手の振り飛車党。特に、角道歩止めの三間飛車など昔ながらの振り飛車の指し手である。本書の相振り解説においても、一つのこだわりをもって棋書作りをされている。
まえがきにおいて、こう述べている。「3手目66歩の出だしからの相振り飛車を紹介する。少なくなった理由は三間飛車にされると受け身の勝ちづらい展開になりやすいからだと思う。今回は4手目32飛の三間飛車一本に絞り、積極的に打って出る将棋を紹介させていただく。実戦例はあまりないので、研究手順が中心となっている。・・・」
惜しむらくは実戦棋譜が少ないことである。特に、彼自身の実戦編は2局のみの紹介である。今回のこのブログでは66歩・35歩型の相振りの実戦棋譜(彼が先手をもったり、後手をもったりしている)を10数局紹介すると共に、本書の中に登場する実戦例の全棋譜を紹介してみたい。きっとこの棋書の理解の一助になると思われる。
1 ページ23の「森内俊之竜王vs谷川浩司九段 第26期竜王戦本戦」
森内vs谷川.kif
2 ページ26の「佐藤康光九段vs羽生善治四冠 第38期棋王戦本戦」
3 ページ65の菅井流の仕掛けとは?一つの実戦例(清水上・田中戦)を示すが、下記の途中図のように45歩〜65歩の仕掛けが成立していること即ち後手が指せることを云う。
「清水上徹アマvs田中悠一四段 平成22年朝日杯」
清水上vs田中.kif
4 ページ136の「橋本崇載八段vs豊島将之七段 第72期B1順位戦」
橋本vs豊島.kif
5〜17は本書の第6章・実戦編(2局のみ)を補うものとして西川四段の実戦棋譜である。
5 西川和宏四段vs阪口悟五段 第68期C2順位戦
西川vs阪口.kif
6 西川和宏四段vs阪口悟五段 第72期C2順位戦
西川vs阪口.kif
7 西川和宏四段vs宮本広志四段 新人王戦(2010・2・15)
西川vs宮本.kif
8 西川和宏四段vs竹内雄悟四段 第42期新人王戦
西川vs竹内.kif
9 佐藤和俊六段vs西川和宏四段 第68期C2順位戦
佐藤vs西川.kif
10 西川和宏四段vs伊藤真吾五段 第23期竜王戦
西川vs伊藤.kif
11 西川和宏四段vs永瀬拓矢六段 第71期C2順位戦
西川vs永瀬.kif
12 西川和宏四段vs永瀬拓矢六段 竜王戦(2011・5・24)
西川vs永瀬.kif
13 西川和宏四段vs門倉啓太四段 第70期C2順位戦
西川vs門倉.kif
14 西川和宏四段vs大石直嗣六段 第71期C2順位戦
西川vs大石.kif
15 内藤国雄九段vs西川和宏四段 朝日杯
内藤vs西川.kif
16 西川和宏四段vs伊藤真吾五段 第71期C2順位戦
西川vs伊藤.kif
17 永瀬拓矢六段vs西川和宏四段 竜王戦(2010・7・9)
永瀬vs西川.kif