ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

米長の将棋というか詰将棋

 米長永世棋聖が死去されてから、1年余が経過した。昨年末までに追悼の意で相次いで実戦集が4冊も発行されている。一つは「米長の将棋 完全版」と題した3巻からなる本と、もう一つは「米長邦雄 名局集」である。

 前者の完全版の構成は
1巻→居飛車振り飛車
2巻→矢倉戦法と棒銀・腰掛銀
3巻→ひねり飛車・横歩取り、奇襲戦法

 後者の名局集は大山名人から始まった「名棋士名局集」シリーズの一環である。


 振り飛車党の私は上記の紹介の本より2冊を求めたが、名局集の中に完全版と重複する棋譜がないか少し気になるところではあるが多分うまく編集されているのであろう。それよりも私が注目したいのは完全版の後ろのページに「さわやか流詰将棋」と題して詰将棋が収録されていることである。主に1980年代の週刊将棋に掲載されたものらしいがその詰将棋作品数は3巻合わせて51作にのぼる。7手詰〜17手詰にわたるが、なかにはアルフアベットの全スペルのあぶり出しの曲詰も含まれており、そのほとんどが初心詰の域ではなく(全作が詰パラ入選級かと問われたら自信はないが)詰将棋愛好家としては見過ごせないものがある。

その米長の詰将棋より、実戦型らしい作品を一作紹介したい。