ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

あっという間の3手詰(スペシャル)

 将棋世界2月号の付録は森信雄七段の「あっという間の3手詰」(スペシャル)である。60作が収録されており、詰将棋の付録としては作品数が多い。1ページに2作詰め込むと、ちょっとした単行本である。そうなれば、附録目当てに本誌を買うと云う逆転現象がおきかねない。

 
 さて、作者のこのシリーズは将棋盤の81マスを大きく使われている。いきおい、飛び道具が主役になるのだが、この附録を見ても飛角が主役で、金銀が脇役を固めていると云う構図の作品が多い。


 また、そういった大模様の代償として、妙手や好手及び短編独特の解後感の良さなどが引出されている。森七段の「あっと驚く三手詰」「なめたらあかん三手五手」等は、そういった舞台作りによる一連のヒット作品集だと思う。


 それにしても、将棋世界に連載が続く「あっという間の3手詰」を始めとして、この種の創作のタネがつきないものである。その点にまず感心する。この附録の「はしがき」にある創作態度が部屋で寝そべって詰将棋を作っているとある。なにか盤駒がいびつに見えそうで、かつ身体の節々が痛みそうで私にはとてもできない芸当である。以前、コタツに折りたたみ盤をはさんで、作る詰将棋入玉図ばかりという著名な詰将棋作家Y氏のエピソードがあったが、それなどは妙に説得力があった。まあ、森七段の場合は頭の中で考えている時が多く、その確認の場として盤駒があり、また一番リラックスして創作できるのであろう。


本日の詰将棋:23手詰