標記の本が本日(9月11日)届いた。
本号のメインは第24回将棋ペンクラブ大賞発表である。
大賞決定は次のとおりである。
「観戦記部門」
大賞:該当作なし
優秀賞:佐藤圭司 第69期名人戦七番勝負第5局 森内vs羽生戦
「文芸部門」
大賞:米長邦雄「われ敗れたり」
大賞:橋本長道「サラの柔らかな香車」
「技術部門」
大賞:村山慈明「ごきげん中飛車の急所」
優秀賞:広瀬章人「広瀬流四間飛車穴熊勝局集」
選考会の模様が14ページにわたり記述があった。
まず、観戦記部門だがやはり名局でなければ良い観戦記は生まれにくいと云うことがわかった。
料理に例えれば、素材が悪ければ良き料理人も腕の振るいようがないということであろう。
つぎに、文芸部門で大賞をとった米長会長の「われ敗れたり」だが、どうやら勝敗の結果にかかわらず出版を考えていたようである(対局日から本の出版まであまりにも短かった)。そういった商業ペースが鼻に付き、この本を買って読むことはなかったが、あの時もし対局に勝っていたら本の題名はどうしたんだろうとあの頃真剣に考え込んだりした。単純に「われ勝てり」だろうか、62玉という奇襲戦法が成功したから、太平洋戦争にちなんで「われ勝てり(トラトラトラ)」が良いなと勝手に想像したりしていたものである。
最後に特別賞で谷川九段の「月下推敲」が受賞したことは詰将棋フアンとして真に喜ばしいかぎりである。
それから、この本には詰将棋界から「将棋を孫に伝える会」の三宅英治氏が5ページにわたり、「盤と駒」による世代間コミュニケーションというタイトルで論評を寄せている。
将棋ペン倶楽部が5ページもさいて、彼のために開放したと云うことはこの活動に理解を示している証ではないだろうか。詰パラ会員としても彼の活動に温かく理解を示すと共に協力できることはすべきではないかとあらためて思いました。
本日の詰将棋:11手詰