ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

<東京、名古屋&大阪>旅行記

 1週間ほど、東京、名古屋、大阪を廻ってきた。以下は、主に将棋に関する記述である

1 新宿将棋センターにおける指導対局
 東京を訪れるのは昨年の詰将棋全国大会以来なので、1年ぶりである。
 新宿将棋センターは10月21日に訪れ将棋を指す一方、午後から山口英夫八段の指導対局を受けた。手合いは飛香落ちで、途中図は88角と上手が打ち込んだところです。


飛香落ち戦法は振り飛車党の私がよく指す指し方(1筋の歩を切って、飛車をひねり飛車風に石田組を目指す)を採用した。二歩を持って、伸び伸びと指すことができるのがやや自慢の指しまわしである。これに遭遇したプロ棋士は「いろんな指し方があるものだ」とおおむね感心してくれる人が多い。
さて、途中図は角銀交換を余儀なくされたものの上手は歩切れである。

75歩  72金      74歩  99角成      75銀  31角
64歩  同歩       84銀  同玉        86飛  74玉
81飛成 71歩      91龍  75香       86桂  63玉
93龍  52玉 以下上手の勝ち。

75歩から飛車が成りこむ会心の指しまわしと思っていたが、93龍が悪く、52玉以下もつれて下手が負けた。93龍では73歩と72の金を攻めるのが正解だったようである。


2 第1期リコー杯女流王座戦第1局(大盤解説会&駒桜イベント)
標記のイベントが10月22日にホテルニューオータニで開催された。
斎田晴子女流五段に指導対局を受けた。斎田五段は振り飛車党なので、相振り飛車を教わりたいので失礼かと思ったが香落ちでお願いした。途中図は玉のコビンに46歩と垂らされたところである。この歩を狙いながら、攻めに出た。

95歩  同歩        74歩  同歩       64角  73銀
46角  23飛       92歩  同香       93歩  同香
85桂  99角成      73桂成 同金       同角成  同桂
74飛  72歩       47金左 46歩      同金   26歩
28銀上 27歩成      同銀   26歩      36銀上 34桂
35銀打 46桂       同銀   31香      24歩  同飛
25歩  22飛       79飛  88馬      69飛  78馬
81金  同玉        61飛成 71金      31龍  32金
41龍  42金右      51龍  62角      同龍   同金
66角  27歩成      同銀   47歩      同銀   28歩
同玉   68飛       58桂  33桂以下、上手の勝ち。

99角成の局面では下手が指せるのではないかと判断。75香が見えているので、さらに攻めを続けた。61飛成と成りこんだところではややコマ不足ではあるが、まだ指せるのではないかと思っていた。
 31龍に32金と打たれ以下41龍に42金左と千日手気味に指されたら、自信がなかったが、緩めていただいたのかもしれない。74桂打ちを楽しみに66角と据えたところではなんとか食らいつくことができそうだが、58桂と使わされてはいけない。どうやら、上手からの47歩、28歩あたりの応手を間違えたようである。33桂以下数手指して下手が投了した。



3 香龍会への参加
10月23日に開催された中京地区の詰将棋フアングループの会「香龍会」に参加した。10名の参加者。
参加者の多くが自作品をみんなに披露して解いてもらうという形式で進められた。名古屋の重鎮、服部彰夫氏ともいろんなお話をした。九州グループ(九G)とはちょっと違う趣があり、これはこれで新鮮に感じられてあっという間に三時間余が過ぎ去った。
 次に、6名で2次会に行った。対面に座ったのが水谷創氏。彼は今年のアマ名人戦で愛知県代表となり、全国大会ではベスト4まで勝ち進んだ実績がある。昨年のアマ名人戦で優勝した井上徹也氏、準優勝の赤畠卓氏といい、近年、詰将棋作家が指し将棋の大会でも活躍されるということは詰棋界にとっても誠に喜ばしい限りである。水谷氏とはこの二次会の席で、指し将棋は同じ振り飛車党ということもあり、石田流、ごき中、相振りなどの戦法で意見交換した。私のほうが、教わる分が多々あったことはいうまでもない。



4 第24期竜王戦第2局
標記のタイトル戦が10月25日・26日の2日間、開催された。大阪吹田市のホテル阪急エキスポパークの現地大盤解説会の初日の会場へ行ってきた。
この第2局の対局地はおそらく久保2冠のために設定された地であろうが、それがかなわなかったのはやはりフアンの一人として淋しい限りである。
 さて会場へは大阪梅田からは地下鉄御堂筋線に乗って、千里中央駅まで行き、大阪モノレールに乗り換える。門真市方面へ向かって、2つ目の駅が万博記念公園である。ホテル阪急エキスポパークは文字通りこの記念公園内に立地されている。現地大盤解説会は午後2時より始まる。11時半ごろ、着いたので万博記念公園を見学。園内に入ったもののその面積の広いこと広いこと。聞けば、甲子園球場の65倍の広さであり、思わず迷子になりそうだった。「広すぎて廻りきれない2時間余」ということで、午後2時前に阪急ホテルへ入る。
 予定通り、2時から大盤解説会が始まったが入場者は20名ほどだった。やはり、カードが悪い(関西になじみがない両対局者という意味で)というよりも、近年大盤解説会のあり方も、少しずつ変わりつつあるのではないか。ネット中継に、モバイル中継、おまけに竜王戦はNHKの衛星放送もある。
 さて、畠山鎮七段が一人で初手より解説。以下、主なポイントを箇条書きにする。
・2手目、84歩が珍しい手。相手の戦法を全部受けて立つ覚悟。
・33銀も早い上がり方。
・44歩vs66歩は同型になりやすいから、後手65歩と突く。
・本局は普通の角換わりだが、なぜ一手損角換わりをしなければならないかの詳しい説明あり。
・先手の48飛は珍しい手。これに対して42金右と固める。
・42金右のところで74歩なら45桂が成立する。以下、42銀、65銀、同銀、55角がある。
・先手47金は攻めに厚みを加えた手。
・先手25歩で昼食休憩に入る。
・12香が竜王らしい手で、スキあらば穴熊にとの意。
・その穴熊をの手段を与えぬため、45歩と仕掛ける。45同歩は45同桂、44銀、46歩が自然な手。また、11玉と入るのもなかなかの手。以下、44歩、同銀、28飛。
・攻める丸山にカウンター狙いの渡辺という構図。
・午後2時20分ごろ、井上慶太九段が入ってきて、畠山七段と二人での解説に変わった。
・後手の45同歩に対して、1回目の「次の一手」が出題された。私は、45同桂の前に35歩と突き捨てる手を選択したが、本手は単に45同桂で次の一手をはずした。
・後手、64角は28飛と廻られるのを嫌った手だが、先手は割りと早い着手で17香と上がり、次の18飛を狙った。
・ここで2回目の「次の一手」が出題された。私は74歩と自然な手を選択したが33桂だった。
次の一手は2連敗。正直、居飛車の将棋はよくわからない。この頃の時間が午後3時半で入場者は若干増えて30人ぐらい。
・53手目先手の35歩に対して、後手が封じることとなり、1日目が終了した。

2日目は自宅で見ることとして、長崎へ帰りました。


5 本日の詰将棋:7手詰