ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

詰将棋(ちょっと手強い7手詰)200題

 森信雄七段の標題の詰将棋作品集が実業之日本社より出版された。
 サブタイトルのちよっと手強いに少し期待して購入した。

 「あっと驚く・・・」の延長線上にある作品かと期待したが、中身は品よくまとまった初心者向けの作品集といった感じである。すなわち、3手・5手の初心向け作品集を良く出されているがその流れの中にある。

 本の序文で抜粋だが、彼はこう述べている。「本書は初めての7手詰作品集です。内容は
1 やさしく明快に詰ませる。 2 オーソドックスな手筋を集めた。 3 実戦風で解いてみたくなる初形にこだわった。その3つの特徴があります。1手詰、3手詰を作るのが私の得意の分野(?)ですが実は7手詰も好きなのです。素材を活かそうとすると7手になることが多くて、私にはもっとも自然に創作できる手数の気がします。・・・・・・」

 私がこの200題を分析してみると、使用駒10枚以内が137題。6×6に納まっている作図が152題で、うち5×5に納まっているのが93題であった。この分析内容が作者がいうところの3つの特徴に該当する一端になるかと思う。

 これは私の一桁詰将棋に対する見解なのだが、初心者向けの詰将棋手筋の紹介は3手・5手で十分表現できる。だから、7手詰あたりになると、もはや初形の美しさに固執する必要はない。将棋の神様がせっかく9×9の81マスを与えたのだから、これを存分に使うべきだ。そして、大模様の代償として妙手や好手、及び解後感の良さなどを演出し引き出すことである。森信雄七段の「あっと驚く三手詰」「なめたらあかん三手五手」などはそういった舞台づくりによる一連のヒット作品集だと思っている。

 さて、本作品集、私にとって「あっというまに解けた」が、一つだけ紛れにはいって三分間ほど考え込んだ作品を最後に紹介しよう。