ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

サエわたる攻めを忍んで

8月30日リコー杯女流王座戦本戦トーナメント(準決勝)・岩根忍女流3段vs伊藤沙恵女流3段の一戦がおこなわれた。 相手が振り飛車党なら好んで相振りにすることが多いのが伊藤さんだ。上図は1筋を突き捨ててから34手目25桂と上がった局面だ。ここ…

果たして相振りと云えるのか

8月29日の叡王戦(9段)予選。 10時からの対局で久保9段vs桐山9段戦をニコ動が解説者森内9段、アベマTVが藤森5段ほかだったので、2台のパソコンで開いて観戦した。 先手久保9段は56歩から中飛車にしたが、後手桐山9段が32飛と応戦した…

女王の居飛穴退治

8月28日は第9期リコー杯女流王座戦本戦トーナメント(準決勝戦)のネット中継があり西山朋佳女王vs加藤桃子女流3段の一戦だった。戦型は先手西山女王の55歩位取り中飛車に対して後手加藤女流3段が超速銀で対抗した。 互いに2枚銀の捌きや交換後の…

チョッとビックリ(叡王戦)

8月26日叡王戦・8段予選でのことだ。 杉本8段vs野月8段戦を少し遅れてネットを開いたところ、振り飛車戦になっていたのは良いのだが、先手杉本8段が居飛車で後手野月8段が3間飛車だった。これは対局者が先後逆ではないかと一瞬思ったぐらいだ。す…

九G例会(8月25日)

出席者は石川、太田、倉掛、坂田、酒井、千々岩、永安、堀切、広瀬、吉松、八尋の計11人。 午後3時ころまでは課題作品の検討など各人、思い思いの時を過ごす。課題作品は4作しか集まらなかったがそれがそのまま9G作品展にパスする予定。私も囲い図式を…

NHK杯の久保九段

8月25日は久保九段vs藤井七段戦が放映された。 後手久保九段の四間飛車で始まったが駒組の頂点あたりで千日手となった。指し直し局は先手久保九段のやはり四間飛車だった。中盤あたりは双方指せると思わせる展開だったがさらに終盤はどちらが良いのやら…

変形金無双

叡王戦(8月20日)と清麗戦(8月24日)の対戦で里見5冠が披露した相振り飛車戦における趣向をこらした金無双の囲い方だが下段に飛車をおろされると「詰めろ」がかかりやすいなどの欠点があるのではないだろうか。藤井猛9段が金無双のことを「文鎮囲…

清麗戦第2局

第2局は8月24日鹿児島県指宿市で開催された。 先手里見5冠は56歩から中飛車を目指したところ、後手はすかさず32飛と振った。こうでなくてはね。この二人で相振りにならないのがおかしいところだ。相振りの中飛車は指しにくいので、ほどなく88飛と…

叡王戦に相振り登場

8月19日に開催された4段予選の午後2時からの対局が相振りとなった。先手・里見女流5冠vs古森悠太4段である。 古森4段は私が大阪へ行くとき時折訪問している「関西駒の会」のお世話をされている方の御子息である。彼が3段時代に「駒の会」の例会に…

佐々木大地五段

振り飛車党なのでこのブログで居飛車の将棋を取り上げたことは一度もない。しかし、何事にも例外はある。8月17日アベマTVで佐々木5段(同郷の長崎県出身)が登場する竜王戦昇級決定の一番があったのでなにげなく見ていた。上図にあるように17手目の…

棋理

プロにはなれなかったが三段リーグに7期在籍した石川泰さんがYoutubeで個人チャンネルを開設され、将棋情報を発信されている。 最近の一例が「元奨三段が語る三段リーグ」である。 まず前提として東西に三段は40人ぐらいいて、すべてリーグ戦で当…

三間飛車

8月16日(金)の朝日杯は高崎6段が登場し10時より田中9段と対戦した。後手番となった高崎6段は3間に飛車を振った。33手目に先手は55銀と相手の44銀にぶっつけて銀交換を迫った。その後、本格的な戦いとなり後手は少しずつポイントを稼ぎつつ…

朝日杯の日

アベマTVでは画面下に「木・金は朝日杯の日!」というキャッチフレーズが貼ってある。5,6人の中継なら一人ぐらいは振り飛車をしてくれるだろうとの期待がふくらむものだ。そして期待にたがわず戸辺7段vs青野9段戦が3間飛車となった。 76歩から7…

「AI」の世界 2

Com対プロ棋士の5vs5対決の最後の対戦が2015年だった(延べ3回開催された)。一方、Com同士の将棋選手権は毎年開催され、新しいソフトが優勝するなど進化を続けている。プロ棋界がComとの共存という道を選択したのか若手棋士を中心にそれ…

「AI」の世界

20年、30年たっても、詰将棋の創作が人類の特技的趣味として残っていたらいいなと思う。 詰将棋の解図はすでにコンピューターのスピードにかなわない。創作のほうは単純に詰む、芸術的に詰むなどの違いに理解が及ばないらしい。だが持ち前の学習能力を発…

魅せる振り飛車(今泉四段)

8月11日はNHK・ネット中継などで4局あり。そのうち振り飛車を3局観ることができた。午前中にNHKで阪口六段が負けて、加古川青流戦では里見五冠が負けてしまった。残る期待は午後2時からの大橋五段vs今泉四段の加古川青流戦。これが稀に見る激…

相振り飛車のスゴイ寄せ

相振りの棋譜並べをしていると時折、目の覚めるような寄せに遭遇することがある。そういった実戦の一つが升田幸三vs塚田正夫の一戦だ。図は55手目21飛と下ろしたところ。ここから後手の一連の着手が先手の4枚美濃を粉砕してしまう。 ▽45桂 ▲48銀 …

詰将棋は物語

盤上にそれぞれの意味付けを持った駒が存在している。その整然とした姿はこれから始まる物語の展開を待っている。やがて、正確な初手が着手され保たれていた姿は崩れ始めるが、一手進むごとに見る者を納得させ、あるいは感心を昂じさせつつ収束に向かって突…

浦野真彦八段、登場

8月7日叡王戦は8段予選の日だった。この日は4人登場で振り飛車の可能性がある棋士は浦野8段である。詰将棋界では私共が一番身近に感じられる棋士の一人である。午後2時からの開始で対戦相手は行方8段だった。 この頃の叡王戦はニコニコ動画ばかりでな…

台風、静かに去る

8月6日、台風8号は早朝に宮崎市に上陸して北西方向へ九州を縦断しながら長崎市に向かうとういうことだったので、日中身構えていたが雨風ともに大したことなくいささか拍子抜けの感じである。 こういう1日はネットで将棋観戦が一番だが興味ある対局もなか…

跳べ!誠

8月4日のNHK杯戦は戸辺誠7段vs木村一基9段だった。関東で振り飛車党といえば藤井猛9段と鈴木大介9段が双璧である。以前よりそれに続くのが戸辺7段だとみていた。一時は西の菅井に東の戸辺とその活躍を私は楽しみにしていた。最近の彼の将棋はハ…

清麗戦

女流棋界に新しいタイトル戦が登場した。 竜王、名人をはじめとする8大タイトル戦が挑戦者の流れからしても絶望的に振り飛車が期待できない中にあって、女流棋戦は振り飛車フアンにとってかけがえのない棋戦の数々である。 さて、第1期の清麗タイトルを目…

対局室の窓からは・・・

「デビューから10年、芥川賞作家はじめてのエッセイ集」という帯を付けて、朝吹真理子さんの『抽斗のなかの海』と題する本が中央公論新社より出版された。 彼女を知るきっかけになったのはやはり将棋の観戦記である。平成27年5月23日付け、朝日新聞の…

詰将棋の解答(7月ブログ分)

7月2日分 *81角 61玉 72銀 同金 同角成 同玉 84桂 61玉 72金 51玉 63桂 同金 42金 まで13手詰。 7月3日分 *53桂 同金右 72銀 同銀 62銀 同金 同角成 同玉 71銀 同玉 82金 62玉 72金 同玉 64桂 同金 82歩成 同玉…