ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

女流名人戦(1月19日)

 19日の午前中は朝日杯の待ちに待ちたる菅井7段の登場だ。相手は藤井7段。この将棋は昨日に劣らず大熱戦だったが菅井7段は負けた。

 とたんに興味の対象は女流名人戦第1局に集中した。

それにしても、朝日杯(金土日)は3日間で延べ9局の対戦がおこなわれたが振り飛車になったのは菅井7段の対局のみ。プロ棋士振り飛車嫌いが本日の菅井さんの敗戦以上に輪をかけて極めて残念至極なり。

 さて、女流名人戦の方は私の大好きな相振り飛車だった。

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 上記途中図は先手挑戦者の谷口さんが81手目に66金と角にあてたところである。1筋に手がついていて、他の攻め駒が急所にきており後手が指しやすい感じである。このあと、後手は66角と指し同飛に17歩成がやはりきびしくほどなくして先手投了した。

第2局は1月26日に出雲市で行われる。

朝日杯オープン(1月18日)

 朝日杯将棋オープン戦本戦が始まっているが、1月18日の2局はネット中継が解説付きだったので朝から眺めていた。

 本日の主役は深浦9段だった。午前中、豊島2冠を大熱戦の末に勝利し、午後からは千田7段にこれまた負けはしたものの見ごたえがある将棋だった。それらの見ごたえとはともに終盤が詰将棋の素材がいたるところに出現するような内容だったのだ。これらをみて詰将棋作家がふるえないはずはない。

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 上記の詰将棋は深浦vs千田戦の目まぐるしく変化した終盤をヒントに作ってみた。23手詰である。

もう一つのベスト4入りをかけて

 世の中には振り飛車党を公言できる棋士は別として、振り飛車なんか指すものかとの信念を持つ棋士と稀に振り飛車を指すことがある棋士の二種類がある。後者の場合は対局中継の時、いちいち確認しなければならないから大変だ。振り飛車フアンに気を持たせる罪作りな人でもある。青嶋未来5段はそういった棋士の一人である。

1月13日叡王戦本戦より斎藤慎太郎7段vs青嶋未来5段の対戦があった。

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  上記図は先手青嶋5段が55歩位取り中飛車で後手が26手目12香と居飛穴を目指したところである。この中飛車は以前、よく私も指していた形なので興味深く観戦した。なかなか手に汗握る攻防という感じで特に互いの金銀の捌き合いが印象に残る。勝負は119手で先手が勝った。A級に登らんとする7段の若手にイキの良い5段が勝つという2日前の叡王戦の再現となった。なんというドラマチックなことであることよ。これで2つ先のことではあるが佐々木5段vs青嶋5段の決勝戦にでもなれば新たなる叡王戦ドリームが誕生することだろう。

ベスト4入りをかけて

 1月11日、叡王戦本戦で菅井竜也7段vs佐々木大地5段の一戦がおこなわれた。いったい、どちらを応援すればいいんだというところだが、私から振り飛車を取り上げたら詰将棋しか残らないから方針は明白だ。とにかく好局を期待した。

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  菅井7段の先手で始まった本局は55歩位取り中飛車となり50手目に後手が54歩と打ったのが上記の途中図である。

 ここから先手は55歩とあわせて攻めを継続するが捌けば捌かれるというように、どうも先手はねじり合いの攻防に遅れを取ったというか力負けの感じがした。結果、後手が100手で勝利した。

 佐々木5段はC2順位戦で現在昇級の目がほとんどないとは信じられないほどだ。世の中には強すぎる5段がいるものだ。もう脱帽しかあるまい。ぜひこの叡王戦での快進撃を続けてほしいものだ。

王位リーグ入りが意味するもの

 佐々木大地5段は昨年暮れの棋王戦挑戦者決定戦で敗れ、ほどなくして海外旅行に飛び立った。

 その戦いの結果にかかわらず計画していた旅だったとしても普通なら傷心の旅になるところだ。でも、そこは勝負師。何らかのプラスになるものをつかみたいと思っていたに違いない。旅はえてして日常の中の自分とは違うものを感じ取り、いわゆる視野が広がる機会を得ることがあるものだ。

 そして、年も改まり1月7日王位リーグ入りをかけた渡辺明3冠との対戦を迎えた。この日、アベマTVで中継があった。日頃、振り飛車戦以外はみることがない私は彼の結果としての勝敗が気になり時折のぞいていた。中盤、飛車金交換で駒得してからは指しやすい状態が続き、収束はまるで詰将棋の邪魔駒消去を見るがごとく銀の成り捨てで勝利した。この1勝の意味するものは極めて大きい。

さらなる活躍を期待したい。

 

 

謹賀新年

今年の3大目標です。

1 新しい詰将棋の本を3月までに自費出版します。

  タイトルは詰将棋の道3<金無双百番>です。

2 詰将棋解答選手権(初級・一般戦)を今年も開催します。

  長崎会場:2020年4月11日(土)

3 詰将棋全国大会を12年ぶりに九州(博多)で開催します。

  2020年9月21日(月)祭日:博多リーセントホテル 

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  上記図は私の年賀状に添えた詰将棋(易しい5手詰)です。

 

詰将棋の解答(12月ブログ分)

12月4日分

*74桂 92玉 82金 同角 同桂成 同金 93銀 同金 81飛成 同玉 82銀 同玉 74桂 92玉 81角 同玉 82銀 72玉 62桂成 同玉 73金 51玉 43桂 61玉 71銀成 同玉 93馬 同香 72金打 まで29手詰

12月5日分

*81銀 同玉 71金 同玉 72銀 62玉 71銀打 同銀 同銀生 同玉 72銀 62玉 54桂 同歩 71角 72玉 52龍 同金 82香成 61玉 53桂 同金 62金 まで23手詰

12月6日分

*53角 63玉 74銀 72玉 64桂 81玉 73桂生 同銀引 72銀 同金 同桂成 同玉 71銀 同銀 73銀成 同玉 85桂 72玉 73銀 61玉 71角成 51玉 62馬 41玉 52馬 32玉 42馬上 23玉 32銀 12玉 21銀生 同玉 43馬左 12玉 22金 13玉 25桂 同金 23金 同玉 33馬寄 12玉 13歩 同玉 31馬 12玉 22馬引 まで47手詰