ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

JTプロ公式戦

 今年のJT杯の日程が既に公表されている。

選抜された12名の棋士を見てみると、いつでも振り飛車が指せる棋士は二人しかいない。久保利明九段と菅井竜也七段である。その二人が1回戦の組み合わせであたってしまった。もう少し互いに勝ち進んだところで実現してほしかったが仕方がない。6月22日に金沢市で開催される1回戦第1局である。

 振り飛車党同士だから当然「相振り飛車」を期待する。

しかし得てしてこのような場合互いに作戦を牽制しあうものだ。菅井さんが振り飛車を譲りそうな感じもするが、妙に牽制しあうと気付いたときには両者、居飛車だったという最悪の事態にもなりかねない。せっかく、金沢まで出かけたいと思っているのだから、振り飛車フアンの期待を裏切らないでほしいものである。

 公開対局が「相振り飛車」になることを期待して、「金無双」の詰将棋を作ってみた(19手詰)。

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叡王戦(長崎対局)

 第4期叡王戦第3局が令和元年5月4日に長崎市内で開催された。長崎市内でプロのタイトル戦が開催されるのは実に久しぶりというか、前回がいつだったか思い出せないほどだ。 例年この時期は森一門祝賀会で大阪へ行くことが多いが急遽取りやめた。

 対局場所は長崎市の繁華街にある思案橋・丸山近辺の史跡料亭「花月」で行われた。現地の大盤解説会は佐々木大地五段、聞き手が水町みゆ一級である。佐々木五段(長崎県出身)は最多勝を獲得するなど今売り出し中の若手である。前々日に長崎入りをして、私も手伝う「子供将棋教室」で指導将棋をしていただいた。夜は10数名の有志で懇親会を開催した。私も参加し、「王位戦リーグ」の話題、コンピユーターの活用の実態など彼に質問し会話も弾んだ。

   さて、解説会は午後1時30分からの受付で午後2時開始だったが午後2時前には100人ほどの席がうまってしまった。午後2時少し前に始まった会で佐々木五段は戦型予想を角換わり、横歩取り、矢倉など飛び交っていたが振り飛車にしか興味がない私にとってどうでもいいことであった。矢倉になったが最近の矢倉は玉の囲い方がいわゆる「矢倉囲い」でなくても矢倉というのかという点でまず驚いてしまった。午後五時頃、早退して自宅のパソコンでネット観戦することにした。どちらを応援しているというわけでもないが、永瀬挑戦者が勝ち三連勝となった。興業的には高見叡王が一,二番まず返した方がよいのだろうが、このタイトル戦はストレートで決着が着くというジンクスだけは作らない方が賢明だろう。

 今回、解説にあたった佐々木五段だがAbemaTVに出演慣れしていることもあり、なかなかの解説ぶりであった。故郷に錦を飾るとまでは云えないにしても、いつの日かタイトル戦の当事者として長崎を訪れてほしいものだ。彼の歓迎を兼ねて即席の詰将棋を1題作った。ササキの「サ」で7手詰です。

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アマレン杯握り詰

 詰将棋全国大会の恒例イベントに「アマレン杯握り詰」がある。今年は使用駒はともかく、19手以内という手数制限がかかった。初めての出来事であり、かつイジメにあった気分でもある。この握り詰はいったい誰が駒を握っているのかというとアマレンの理事長が握ってると以前、聞いたことがある。アマレンは昨年夏に役員の大幅な改選が行われた。それが原因でないことを願うが・・・。

 

 さて、スムーズに作品が出来上がるか挑戦してみた。似たような構図からスラスラと3作できた。20手台の詰手数のためにコンテストには出せないが収束がそれぞれ適当に気が利いているので披露したい。詰将棋作家というのはこのような収束パターンの引き出しを持っているので握り詰でもあまり苦にしないものである。ところでこれらの作品を19手にするために頭数手をカットすればよいというものではない。そうすると使用駒そのものの条件が狂ってしまうからである。もし、長篇作品を嫌ったのであれば、もう少し落としどころがあったと思うのだが・・・。それでも、19よ大阪へ。

 締め切りが1か月近くあるので新しいアイデアで19手以内に挑戦してみたい。

  (下記作品は21手詰・23手詰・29手詰です。)

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相振り飛車考

 若い頃より詰将棋研究の傍ら、将棋を指すことも楽しんできた。あまり神経を使わずに気楽にさせる戦法ということで振り飛車党になった。相振りになる場合があることを覚悟すればほぼ100%自分の将棋が指せる。その相振りだが最初の頃は「仕方なく」指していたが徐々に対抗型(居飛車vs振り飛車)より相振りそのものが面白くかつ楽しくなった。あの頃は(今でも多分にそういう点があるが)定跡に未開発の部分があり手将棋の感覚が詰将棋の創作のそれと私の場合多分一致したのだろう。

 

 さて、棋泉というソフトにプロ棋譜を収集してきたが相振りだけでも2000局近くある。これを棋士別に分析して統計を採ってみた。(初期の頃はお気に入りの棋譜しか入力しなかったので私の収録数は連盟が把握している分と当然違うことを最初にお断りしておきたい。然し乍ら、ある程度の傾向は一致するものと思う。)

対局数のベスト5は次のとおりである。

1位 久保利明九段 123局

2位 藤井猛九段  112局

3位 鈴木大介九段  78局

4位 小林健二九段  68局

5位 近藤正和六段  65局

次点は谷川浩司九段が続いている。

現代相振りの御三家は予想通りである。ついでに云えば昭和40年及び50年代の相振り御三家は内藤國雄九段・佐藤大五郎九段・大内延介九段を挙げたい。彼らもランキングの10位前後に顔を出している。

 

 相振り飛車の玉の囲い方は今でこそ美濃、矢倉、穴熊等多彩になってきたが黎明期では「金無双」が主流であった。この金無双は現代将棋では相振りに見かけるだけであり、まさに相振り飛車独特の構想力から誕生した「囲い」と云えるのではないだろうか。

 

 九州の詰将棋作家の会合を年2回博多で開催している。来る夏の会合の課題が「囲い図式」であるので、「金無双」という囲いにこだわってこの4月に作品作りに励んだ。10数点作品が出来上がったのでこの中より2作品をこのブログで公開したい。手数をヒントに挑戦してみてほしい。駒取り駒交換、非限定などキズがあるが実戦型は解いて楽しむことが一番大切である。(15手詰と29手詰です)

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詰将棋解答選手権(長崎会場)結果

 第16回詰将棋解答選手権の初級及び一般戦の部門が4月6日全国各地で開催された。

 地元長崎市では今年で3回目の開催である。初級戦が14人、一般戦が13人の参加者で、昨年に引き続き二ケタの参加者を得て安堵している。

 さて、成績の結果は下記のとおりである。

初級戦の全問正解者は3名でタイムで順位をつけると、

1位 柏木智成 2位 布江壱成 3位 川上拓真

一般戦は全問正解者が1名出た。

1位 柏木智成 2位 川口康久 3位 高野寛之・川上拓真

  このイベントは運営協力を「将棋教室ふぁんた」にいただいている点が大きく、この協力関係を維持できれば地方都市でも十分にやっていけるのではないかと思っている。

「来年も楽しみにしています」と子供の声を聞くとなおさらそう思う次第である。

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第16回詰将棋解答選手権(長崎会場)の案内

<長崎会場実施要領>

実施部門:初級戦&一般戦

運営協力:日曜将棋教室ふぁんた

会場:長崎市民会館2階第4研修室

住所:長崎市魚の町5-1

アクセス:JR長崎駅から徒歩13分

会場URL:https://ngs-shiminkaikan.jp/access

日時:平成31年4月6日(土)午後

◎初級戦スケジュール

1手詰から5手詰を6題

午後1時 初級戦の受付と競技説明

午後1時30分から2時 初級戦競技(30分)

午後2時 初級戦の採点と解説及び表彰式

◎一般戦スケジュール

5手詰から15手詰を6題

午後2時50分 一般戦の受付と競技説明

午後3時20分から4時10分 一般戦競技(50分)

午後4時10分 一般戦の採点と解説及び表彰式

午後5時終了予定

参加費:500円(両部門参加は700円)

  高校生以下及び女性は300円(両部門参加は500円)

注意:盤駒の貸し出しはないので使用される方はご持参ください。

問い合わせ・申し込み:tumeparashou@yahoo.co.jp 石川

氏名(フリガナ)、住所、電話番号、参加クラス、参加区分(一般など)を明記すること。

申し込み締め切り:平成31年3月31日(日)

参加定員:20名

解答選手権速報ブログ:http://blog.goo.ne.jp/shogi-problem

 

シニア名人戦の県代表になる

 2月3日は長崎県の同大会が開催され、5年振りぐらいに出場してみた。

 午前中はあまりピリッとしない内容ながら2勝1敗で予選抜けした。午後は8名による決勝トーナメントで一転して3局とも自分の思い通りの将棋が指せて望外の結果が出た。

  私の将棋は振り飛車一辺倒で力でねじ伏せるような将棋が好みである。終盤も詰めろとか必至とか考えず、まず即詰がないかどうかを読んでいるときが多い。

 詰将棋に例えるならまさに「桑原辰雄」流である。振り飛車の軽快な捌きは中盤まででよい。終盤は軽快というよりも、ズシリと胸に響くような好手がちりばめられた桑原流の寄せ方があこがれだった。でも、それは実戦では稀だ。然し乍ら、剛腕で迫り鮮やかに寄せきった時ほど痛快なことはない。

 今回はこういった棋風が全て良い方向に生じてくれたものでしかないと思っている。

 4月に神戸での西地区大会へ行くが、詰将棋に悪影響を与えない程度に、指し将棋にさしたる色気を出すこともなく、将棋そのものを楽しんできたいと思っている。